教員一覧

教授 牧野 浩典

専門分野

さまざまな情報処理問題に対する量子アルゴリズムの開発

専攻/研究領域

情報理工学専攻/情報サイエンス領域

研究紹介

私の研究室では、量子力学と呼ばれる学問にのっとった理論研究をおこなっています。ミクロ・スケールの世界で、原子レベルの粒子の運動状態をエネルギースペクトルの性質から判断し、運動を制御する方法を確立する研究に取り組んでいます。
こんな風にイメージしてみてください。1枚のドアでつながった2つの部屋があるとします。ドアのこちら側の部屋には粒子が1つあり、あちら側には何もあり ません。こちら側の部屋では、粒子がビリアード台上のボールのように、部屋の壁と衝突を繰り返しながら等速運動を続けています。ドアを開けると、粒子はあ ちら側とこちら側の部屋を行き来します。ただし、部屋が原子レベルの大きさだとしたら、粒子の運動は量子力学の原理にのっとり、波動理論的に決まる事が知 られています。つまり、この"粒子"は、粒子の性質と波の性質を併せ持つのです。その場合、波の波形がドアの形状にピタリとフィットしなければ、粒子はド アを通り抜けられません。ドアが開いていたとしても、粒子はこちら側の部屋に永久に留まる事になります。私たちの日常的な感覚では理解困難な現象ですが、 原子・分子の世界ではこのような事が当たり前のように起こります。上の例でいえば、粒子の運動を制御することは、波動にピタリとフィットするようなドアを 設計することを意味します。設計次第では、ドアに正面から進み向こう側の部屋に入ったはずの粒子が、不思議なことに次の瞬間、こちら側に到着してしまう事 もありえます。
粒子のエネルギースペクトルを観測することで、一方の部屋に留まっているのか、双方の部屋を行き来しているのかを判定することができます。私たちの研究室では、理論的な手法や数値シミュレーションによりこれを実現します。