現代は産業活動や社会生活をはじめ、人類のあらゆる活動が電気・電子技術に著しく依存しています。また社会の発展により莫大な犠牲を払ってきた地球や近宇宙の自然環境の回復・保全においても電気・電子技術が大きな役割を担っています。さらにインターネットを主とした情報通信ネットワークは爆発的な普及と高度化によって社会基盤化しています。このような時代の大学院教育においては一時期細分化が進んだ電気・電子関連の工学分野を再び大局的に捉え、広い視野を持つ人材を育成することが重要です。
そこで当専攻はこれまで独立していた電気電子システム工学専攻、光工学専攻ならびに情報理工学専攻を統合し、それらの基盤たる「電気電子」を冠した専攻としました。電気、電子、情報、通信、光、画像、制御，生体，医療といった広範な領域を工学の観点から網羅し，伝統的な学問体系と革新的で多様な科学技術を積極的に結びつけることにより、学際的な研究成果と高い教育効果を生み出します。
専攻紹介
電気電子工学専攻
伝統と先進が躍動する電気電子系分野で学び未来の知を開拓しよう
概要
アドミッションポリシー
領域を超えた広い学識の涵養と共に領域特有の深い知識の修得を目指す教育カリキュラムに基づいて、柔軟な創造性と幅広い視野、応用や実践に役立つ高度な専門知識、社会の動的変化に対応しながらもその普遍的本質を見抜く知力、ならびに現状を的確に把握し問題解決を図る行動力を兼ね備えた人材の育成を目指しています。工学倫理・知的財産権や英語関連科目を通じて健全な倫理観と豊かな国際性を持つことも重要な目標としています。
主任教授メッセージ
教授 高雄 元晴
現在の社会では、私達の身の廻りのあらゆるものが電気・電子技術によって支えられています。電力・水・ガスなどのライフラインや公共交通機関や自家用車を含む交通網は電気・電子技術によって運用されています。加速度的な拡大を続けるデジタル機器・通信ネットワーク、ラジオ・テレビなどの放送・映像機器、家電製品などは電気・電子技術の発展なしには成しえないものでしょう。さらにドローンのような先進的移動体、太陽光などを使うグリーンエネルギー機器、あらゆるロボット、様々な先進的な医療機器、革新を続ける画像・光学機器など、日々のニュースとして私達の目や耳に飛び込んでくるのは電気電子分野のたゆみない発展の証です。
上記のような電気・電子技術の発展に伴って、様々な技術が分野を横断する形で利用されるようになってきており、今後もその傾向は加速してゆくものと考えられます。このような中、本専攻では電気・電子の学術分野に基盤を置くと共に、広い視野を持って物事を捉え、未来社会のあるべき姿を思い描くことのできる研究者・技術者を育てたいと考えています。未来の技術を創成するのは、最先端技術のうわべを追求することではありません。数学、物理、化学、英語、計算機言語などの基礎学問の修練と、それに基づく論理的な思考の実践、未知の問題を解決するための創造性と忍耐力の涵養といった地道な努力こそが重要です。
こうした考えの下、本専攻では電気電子分野に必要な伝統的・基礎的科目や健全な倫理観を養う科目に重点をおくと共に、先進の学際領域・複合領域の研究・教育を展開しています。皆さんが内実ある頑健な学力と、若さに支えられた伸びやかな創造力を身につけられるよう、私たちが心を込めてお手伝いします。